Ⅷ. 昇格組が1シーズンで降格した率
昇格してきたクラブの数からそのシーズンのうちに降格したクラブの割合を算出したもの。下位のカテゴリーとトップディビションのカテゴリーの差が無いかを把握する。
この割合が高いほどに2部リーグと1部リーグの差に開きがあると言えよう。
とりあえず6位が6クラブ並んでいるので、その順位から紹介をしていく。
昇格組が1シーズンで降格した率
6位 50.00%
🇸🇪アルスヴェンスカン(スウェーデン)
🇴🇲オマーンリーグ(オマーン)
🇳🇮リーガ・プリメーラ・デ・ニカラグア(ニカラグア)
🇯🇴ヨルダン・プロリーグ(ヨルダン)
🇭🇺ネムゼティ・バイノクシャーグI(ハンガリー)
🇫🇮ヴェイッカウスリーガ(フィンランド)
5位 52.38%
🇮🇹セリエA(イタリア)
欧州5大リーグの一角であるセリエAは昇格したクラブの半数以上が1シーズンで降格していることになる。7シーズンの間に21チームが昇格してうち、11チームが1年で降格したようだ。
さて、これだけ高い割合になった一つの要因として見て良いのかは分からないが、イタリアの2部リーグに該当するセリエBでは総当たりのリーグ戦が一通り終わったあと、昇格プレーオフが行われることとなっている。
この昇格プレーオフだが、3位だったクラブから8位のクラブまでが参加権を有している。
つまり、全体20チームのうちで中位というべき8位のクラブが昇格する可能性が存在しているのだ。この要素があるいは1年で降格するクラブの割合を50%以上にしたのかもしれない。
4位 52.94%
🇨🇾キプロス・ファーストディビジョン(キプロス)
そもそもキプロスという国についてご存じだろうか。
キプロスはトルコの南部に存在する島国であり、公用語はギリシャ語とトルコ語である。
人口は120万人ほどの小国でありながら、抱えている歴史問題は複雑でギリシャ系とトルコ系が対立をしてしまっている国でもある。
まあそれはさておき、このキプロスのリーグが4位に入った要因は結構単純な理由であると思われる。
それは降格の枠が多いということ。キプロスは14チーム制でありながらも降格枠が3つも存在しているのだ。
基本的に14チーム制においては降格チームは2チームか場合によっては3チームといった感じなのだが、キプロスに至っては下位の3チームが容赦なく自動降格となる。
昇格したてのチームが上位に入ることは当然ながら難しいため、この多い降格枠に飲み込まれ、1シーズンで降格してしまうチームが多く存在するのだろう。
3位参考 53.85%
🇰🇼クウェート・プレミアリーグ(クウェート)
またしてもこのリーグがランクイン。
まあ、チーム数の変動が激しいので一応参考扱いとしよう。
特にいうべきことは思いつかない。いろいろと変遷の最中だった故に、トップディビションで戦えるだけの力のないクラブがリーグに入りこんだりしたのだろう。
2位 64.29%
🇨🇴カテゴリア・プリメーラA(コロンビア)
3位と大きな差をつけてのランクイン。
コロンビアのリーグは20チーム制でありながら、2部リーグと入れ替わるクラブの数が2クラブしか存在していない。この入れ替わりの少なさが逆に2部リーグと1部リーグの実力に開きを作ってしまっているのだろうか。正直分からん。
ただ、コロンビアのリーグは実質2部リーグまでしか存在していない。
つまり、アマチュアのリーグとプロのリーグが完全に隔絶されてしまっているのだ。
例えば、日本の場合では「自分たちは関東の1部リーグで戦っていますが、Jリーグ参入目指して戦っています」みたいなノリで運営されているクラブがあるが、コロンビアではそれをすることができない。
これもあるいは2部リーグの停滞を招き、1部リーグとの間に差を作る要因となってしまっているのかもしれない。
1位 70.59%
🇽🇰コソボ・スーペルリーガ(コソボ)
最下位クラブの勝ち点の低さで4位となったコソボのリーグが見事首位に輝いた。
要因はおそらく2つ。降格枠の多さと、1部リーグと2部リーグの差にあるのだろう。
コソボのリーグは10チーム制であるのだが、この7シーズンで昇格してきたクラブは17も存在している。つまり1シーズンで、2あるいは3チーム降格したりしているのだ。
20チーム制であるJリーグで例えるなら、1シーズンで5チームほどが降格していることとなる。めっちゃ降格枠が多いのである。そしてコソボは人口が200万人に満たない小国に分類される。こうした小国は2部リーグの段階でアマチュアリーグとなってしまうことが大半である。それゆえに、2部リーグから這いあがってきても、プロの壁に叩き落されてしまうのではないかと考えられる。