Ⅶ. 最下位クラブの平均勝ち点
最も優勝しているクラブの平均勝ち点の逆パターン。降格制度のないリーグもあるが、そこらへんは無視してランキングを作成する。
辛辣に言うと、この数字が低いほど、そのリーグで通用しなかったクラブということになる。
これは1部リーグと2部リーグの差を間接的に示す数字にもなってくるため、より質の高い競争ができていることを示すためには、当然最下位の勝ち点は高い方が良いのである。
それでは上位10か国を見てみよう。
最下位クラブの平均勝ち点
10位 0.455
🇧🇬ファースト・プロフェッショナル・フットボールリーグ(ブルガリア)
9位 0.443
🇧🇾ベラルーシ・プレミアリーグ(ベラルーシ)
8位 0.440
🇨🇩リナフット(コンゴ民主共和国)
7位 0.415
NIFLプレミアシップ(北アイルランド)
6位 0.409
🏴ウェルシュ・プレミアリーグ(ウェールズ)
5位 0.381
🇪🇪メスタリリーガ(エストニア)
すでに何回かランキング上位に入っているこのリーグがまたもや入ってきた。
おそらくだが1部リーグと2部リーグの差の大きさが、最下位ランキング3位の成績とこの5位という成績を呼び込んだのだろう。
4位 0.376
🇽🇰コソボ・スーペルリーガ(コソボ)
優勝争いは比較的混沌としているし、最下位となったチームはここ7年で被りなしといったように、この順位に入っていることが少々以外に感じられる。
だが、これは1部リーグと2部リーグの差が大きいことを暗に示しているのかもしれない。
他ランキングでもう一度このリーグの名前が現われてくるかもしれないので、これ以上の説明は止めておこう。
3位 0.339
🇰🇬キルギス・プレミアリーグ(キルギスタン)
こうして5位以内に入ったのは3回目になるだろうか。
先程説明した通り、このリーグはチーム数が増加した影響もあり、降格基準はあいまいになっている。
最下位だったクラブが翌年も残っていたりするし、なにより発展途上のリーグ。
6クラブだったリーグのチーム数が、10クラブになったときの上位と下位の実力の開きは大きなものとなっているのだろう。
7シーズンで3回も最下位になったFCヒミク・カラバルタがとりわけ低い勝ち点で最下位になっていることは言わずもがなである。 それゆえに最下位の勝ち点がこうして低くなるのも自然なことなのかもしれない。
2位 0.335
🇲🇩モルドバ・スーペル・リーガ(モルドバ)
コロナウイルスが猛威を奮う2018年までは最下位の勝ち点も決して低いものではなかった。
だが、2019年以降に最下位の勝ち点がおかしなことになる。
2019年の最下位クラブは1勝もできずに勝ち点5でフィニッシュ。
2020/21シーズンの最下位クラブは2勝はしたものの、31敗しており勝ち点9のフィニッシュ。
2021/22シーズンの最下位クラブは、なんと全敗したままリーグ終盤でリーグからの離脱をしており、サッカー協会から勝ち点6の剥奪をくらっている。これによって勝ち点-6でのフィニッシュの形となっている。
そして2022/23シーズンの最下位クラブもサッカー協会から勝ち点の剥奪をくらい、勝ち点0フィニッシュとなっている。
つまり後半4シーズンにおいては、ほとんど0に近いような勝ち点となっている。
2018年以前は最下位でもそこそこ勝ち点を取れていたために、かろうじて1位は避けられたようだ。
1位 0.313
🇭🇰香港プレミアリーグ(香港)
1位は香港となった。どういった要因でこのような結果になったのかを説明することは難しい。
1つの要員として、試合数の少なさがあるように感じる。
Jリーグは1シーズンで38試合を行うわけだが、香港プレミアリーグは1シーズンで18試合しかしていない。
クラブの収入は試合を行った際の観客のチケット代に依存している面は大きいので、この試合数では満足に収益を上げることはできないだろう。
もともとクラブを支える企業が大きいものであれば、観客動員の影響はあまりないのかもしれないが、クラブを支える企業が小さいものであれば、否応なく観客動員に頼らざるを得ない所があるのだ。
つまるところ、この試合数の少なさでは満足に収益を上げることはできない。
ゆえに、下位のクラブはセミプロかアマチュアのようなクラブになるしかなく、上位のクラブはクラブを支える企業の存在もあり、プロクラブとして機能するだろう。
そしてプロとセミプロの差が、こうした最下位の勝ち点の少なさに現れているのではないかと推測する。