もうすでに終わってはいるですが、今月クラブワールドカップがありました。
それで、手遅れではありますが、今年のクラブワールドカップについて確認していこうと思うわけです。
今回のクラブワールドカップは中東の国ばっかりで、東アジアの国々からすればさして価値を見出すことはできない大会だったかもしれません。しかし、やはりこうしてサッカーの情報を発信している身としては、ここでクラブワールドカップについて語って行きたいのです。それではクラブワールドカップ2022について、確かめて行こう。
開催国
今回の開催国はモロッコ。モロッコ王者であるウィダード・カサブランカが開催国枠として出場するのだが、今回はなんとそのウィダードはアフリカ王者になってしまったため、アフリカの大陸大会で準優勝となったエジプトのアル・アハリも出場することとなった。
参加チーム
基本的には、オセアニア王者、アフリカ王者、アジア王者、南米王者、北中米王者、ヨーロッパ王者、開催国枠の7チームで行われる。
しかし今回は先ほど述べた通り、開催国がアフリカ王者であり、開催国枠にはアフリカの2番手が入ることとなった。
改めて出場クラブを確認する。
- アル・ヒラル(サウジアラビア) アジア王者「AFCチャンピオンズリーグ2021優勝」
- ウィダード・カサブランカ(モロッコ) アフリカ王者「CAFチャンピオンズリーグ2021-22 優勝」
- シアトル・サウンダーズ(アメリカ) 北中米王者「CONCACAFチャンピオンズリーグ2022 優勝」
- フラメンゴ(ブラジル) 南米王者「コパ・リベルタドーレス2022 優勝 」
- オークランド・シティ(ニュージーランド) オセアニア王者「OFCチャンピオンズリーグ2022 優勝」
- レアル・マドリード(スペイン) ヨーロッパ王者「UEFAチャンピオンズリーグ2021-22 優勝」
- アル・アハリ(エジプト) アフリカ準王者「CAFチャンピオンズリーグ2021-22 準優勝」
参加チーム紹介
アル・ヒラル
拠点:リヤド(サウジアラビア)
所属リーグ:サウジ・プロフェッショナルリーグ(昨シーズンの順位:1位)
創設:1957年
成績:サウジ・プロフェッショナルリーグ 優勝18回 準優勝14回
サウジ国王杯 優勝9回 準優勝8回
クラウンプリンスカップ 優勝13回 準優勝4回
AFCチャンピオンズリーグ 優勝4回 準優勝4回
クラブワールドカップ最高成績 ベスト4
ホームスタジアム:キング・ファハド国際スタジアム (収容人数 68,752人)
選手1人当たりの平均年俸:約2億3000万円(Al-Hilal Saudi Football Club 2023 Wages | Player & Team totals (salarysport.com)) 参照)
最高年俸:セバスティアン・ジョヴィンコ「12億7780万円」
平均年齢:28.1歳
FIFA23 における選手の平均能力: 総合 73、 攻撃 75、 中盤 74 ディフェンス 70
クラブ概要
去年もFIFAクラブワールドカップに出場していたクラブ。国内リーグは3連覇中。AFCチャンピオンズリーグにもコロナ感染者が大勢出たことで、辞退に追い込まれた2020年を除いて2連覇中。現状アジア最強のクラブと言って過言ではない。監督は横浜マリノスにも所属していたラモン・ディアス。昨年の2月から監督を務めている。2016-18年にかけてもアル・ヒラルで監督を務めており、その時もリーグの2連覇を達成している。
オディオン・イガロ選手がクラブの得点源であり、国内リーグでは12試合で8得点を記録している。ちなみに去年のワールドカップでアルゼンチンを撃破した際のスターティングイレブンは、9人がアル・ヒラルの選手であった。つまりアル・ヒラルがアルゼンチン撃破したといってもいいわけですな。
ウィダード・カサブランカ
拠点:カサブランカ(モロッコ)
所属リーグ:ボトラ(昨シーズンの順位:1位)
創設:1937年
成績:ボトラ 優勝22回 準優勝12回
モロッコ・カップ 優勝9回 準優勝7回
CAFチャンピオンズリーグ 優勝3回 準優勝2回
CAFスーパーカップ 優勝1回 準優勝3回
クラブワールドカップ最高成績 6位
ホームスタジアム:スタッド・モハメド・サンク (収容人数 67,000人)
選手1人当たりの平均年俸:不明
平均年齢:26.2歳
FIFA23における選手の平均能力:収録されておらず
クラブ概要
モロッコで最も国内タイトルを獲得しているクラブであり、モロッコで最も人気のあるクラブの一つ。熱狂的なサポーターで有名。あまりあてにはならないが、IFFHSのワールドクラブランキングで49位となっている。21/22シーズンのCAFチャンピオンズリーグでは優勝したクラブであるのだが、平均ポゼッションは43.2%とかなり低い水準であった。ちなみに今の監督はメディ・ナフティ監督。主にスペインのクラブで手腕をふるって来た44歳。今年の1月に監督になったばかりのようなので、CAFチャンピオンズリーグ制覇には関わっていない。
シアトル・サウンダーズ
拠点:シアトル(アメリカ)
所属リーグ:ウェスタン・カンファレンス(昨シーズンの順位:11位)
創設:2007年
成績:ウェスタン・カンファレンス プレーオフ 優勝4回 準優勝2回
ウェスタン・カンファレンス レギュラーシーズン 優勝1回
MLSカップ 優勝2回 準優勝2回
CONCACAFチャンピオンズリーグ 優勝1回
クラブワールドカップ最高成績 初出場
ホームスタジアム:ルーメン・フィールド (収容人数 67,000人)
選手1人当たりの平均年俸:約9529万円(Seattle Sounders FC 2023 Wages | Player & Team totals (salarysport.com))
最高年俸:ニコラス・ロデイロ「4億3690万円」
平均年齢:26.4歳
FIFA23 における選手の平均能力: 総合 70、 攻撃 72、 中盤 71 ディフェンス 69
クラブ概要
アメリカのクラブとして初めてクラブワールドカップに出場する。今までのアメリカのクラブは、CONCACAFチャンピオンズリーグでいいところまではいくのだが、いつもメキシコ勢に煮え湯を飲まされてきた。今回の出場はアメリカのクラブの実力がメキシコの強豪と対等となったことを示すこととなるであろう。アメリカの選手獲得方式は野球のメジャーリーグと同じようなものとなっており、他の国の移籍システムとは一線を画す。本来であれば、国内リーグは強豪クラブとそれ以外とに分かれる勢力図となるが、この特殊な移籍システムのおかげでそれぞれのクラブの実力差は均衡した状態となっている。現に2021年にはMLSを制覇したシアトル・サウンダーズも、その翌年は11位になってしまっている。
フラメンゴ
拠点:リオデジャネイロ(ブラジル)
所属リーグ:カンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(昨シーズンの順位:5位)
創設:1895年
成績:カンピオナート・ブラジレイロ・セリエA 優勝7回 準優勝3回
コパ・ド・ブラジル 優勝4回 準優勝4回
コパ・リベルタドーレス 優勝3回 準優勝1回
レコパ・スダメリカーナ 優勝1回
クラブワールドカップ最高成績 準優勝
ホームスタジアム:エスタジオ・ド・マラカナン (収容人数 78,639人)
選手1人当たりの平均年俸:約7236万円( Clube de Regatas do Flamengo 2023 Wages | Player & Team totals (salarysport.com))
最高年俸:ガブリエウ・バルボーザ「4億8640万円」
平均年齢:25.9歳
FIFA23 における選手の平均能力: 総合 77、 攻撃 80、 中盤 78 ディフェンス 76
ブラジルにおいて長らく人気と強さを維持し続けているクラブ。クラブワールドカップの前身である、インターコンチネンタルカップ(トヨタカップ)では日本の代表監督を務めたジーコなどの活躍などにより、欧州の強豪リバプールを打ち破ったこともある。このクラブのホームスタジアムであるマラカナンスタジアムの名前に聞き覚えのある人も多いのではないだろうか。このスタジアムは2014年のブラジルワールドカップで使用され、決勝戦もこのスタジアムで行われた。ちなみにブラジルがドイツに惨敗したミネイロンの惨劇 は別のスタジアムでのことである。2019年のクラブワールドカップでは再びリバプールと相まみえることとなり、延長戦にまでもつれ込む死闘となったが、1-0で負けて、準優勝となっている。
オークランド・シティ
拠点:オークランド(ニュージーランド)
所属リーグ:ニュージーランド・フットボールチャンピオンシップ(昨シーズンの順位:1位)
創設:2004年
成績:ニュージーランド・フットボールチャンピオンシップ 優勝9回 準優勝5回
OFCチャンピオンズリーグ 優勝10回
クラブワールドカップ最高成績 3位
ホームスタジアム:キウイティア・ストリート (収容人数 5000人)
選手1人当たりの平均年俸:不明
平均年齢:25.5歳
FIFA23における選手の平均能力:収録されておらず
クラブ概要
クラブワールドカップの常連。オセアニアの競争力は低く、ほとんどがアマチュアクラブのため、クラブワールドカップの出場回数は多くとも、なかなかいい成績を収めることができない。オセアニアのチャンピオンズリーグでは、たまにニューカレドニアだとかバヌアツのサッカークラブに負けてしまうことがあるが、一番の対抗馬はやはり同じニュージーランドのクラブとなる。一番のライバルはウェリントン・オリンピックAFCであり、このクラブに国内リーグの優勝や、クラブワールドカップ出場権の座を明け渡してしまうことが度々起こる。日本人選手の岩本輝雄選手が在籍している。左サイドバックとして2012-19年にかけて在籍し、一旦日本に帰ってきたが、2022年に再びオークランドに戻った。
レアル・マドリード
拠点:マドリード(スペイン)
所属リーグ:ラ・リーガ サンタンデール(昨シーズンの順位:1位)
創設:1902年
成績:ラ・リーガ サンタンデール 優勝35回 準優勝24回
コパ・デル・レイ 優勝19回 準優勝20回
UEFAチャンピオンズリーグ 優勝14回 準優勝3回
クラブワールドカップ 優勝5回
ホームスタジアム:エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ (収容人数 81,044人)
選手1人当たりの平均年俸:約14億5800万円(Real Madrid 2023 Wages | Player & Team totals (salarysport.com) )
最高年俸:エデン・アザール「約32億900万円」
平均年齢:27.6歳
FIFA23 における選手の平均能力: 総合 85、 攻撃 85、 中盤 85 ディフェンス 84
クラブ概要
サッカーファンであらずともその名を知る人の多いビッグクラブ。国内リーグの優勝回数、欧州のチャンピオンズリーグの優勝回数、ともに最多優勝をほこる。バルセロナとは激しくしのぎを削りあっており、この2クラブの直接対決はエル・クラシコと呼ばれ、世界で最も注目を集めるナショナル・ダービーである。クラブワールドカップもすでに5回優勝しており、今回でさらに1回増やすのはほぼ確実とされている。それほどまでに欧州と他大陸のサッカークラブの実力差・資金力は開いており、欧州のクラブはこのクラブワールドカップの存在意義に疑問を抱いている。
アル・アハリ
拠点:カイロ(エジプト)
所属リーグ:エジプト・プレミアリーグ(昨シーズンの順位:3位)
創設:1907年
成績:エジプト・プレミアリーグ 優勝42回 準優勝12回
エジプト・カップ 優勝37回 準優勝16回
CAFチャンピオンズリーグ 優勝10回 準優勝5回
CAFスーパーカップ 優勝8回 準優勝2回
クラブワールドカップ 最高成績3位
ホームスタジアム:カイロ国際スタジアム (収容人数 75,000人)
選手1人当たりの平均年俸:約7100万円(判明している選手の平均なので実際はもっと低いと思われる)(Al Ahly Players Salaries 2023-22: Weekly Wages & Highest-Paid Player (sportingfree.com) )
最高年俸:バドア・バーノン、フセイン・エル・シャハト 「約1億3450万円」
平均年齢:26.2歳
FIFA21 における選手の平均能力: 総合 68、 攻撃 69、 中盤 68 ディフェンス 70
クラブ概要
すでにクラブワールドカップでは7回の出場を果たしており、オークランドシティに継ぐ出場回数となっている。度々3位とはなっているが、南米勢・欧州勢を打ち破るには厳しい様子。同じ北アフリカのモロッコや、チュニジアなどのクラブがアフリカにおけるライバルとなっているが、国内のライバルはアル・ザマレクが対抗馬となるのみでほぼ1強に近い状態となっている。21/22シーズンのCAFチャンピオンズリーグではウィダードカサブランカと対照的にボール保持率の平均は58.2%と高い水準であった。決勝戦でもウィダード相手に66%のボール保持をしているにもかかわらず、0-2で敗戦している。
今回は参加クラブの紹介までにしておきたいと思う。次回は大会の結果などを振り返っていきたい。